弁護士
一般に弁護士が所属するオフィスを指して「弁護士事務所」と表現することがあるが、法律上は「法律事務所」、「弁護士法人」のいずれかを名称に含めることが強制されているため、正式名称ではない。
資力の乏しい者が弁護士の援助を受ける方法としては、日本司法支援センター(法テラス)による法律扶助の制度があり、「勝訴の見込みがないとはいえない」場合に、弁護士費用や裁判費用の援助が受けられる。
ただし、法テラスの援助は日本人または適法に在留する外国人に限られ、難民認定申請や在留特別許可の申請、不法滞在者の労働問題などは日本弁護士連合会が自主事業として援助を行っている。
また、刑事事件では、被疑者となった場合に、1回に限り無料で弁護士の出動を依頼できる当番弁護士制度、無資力の被疑者のために弁護士費用を援助する被疑者弁護扶助制度、刑事被告人に資力がないときに裁判所が被告人のために弁護人を選任する国選弁護制度などの制度があり、また一定の重罪事件については、被疑者段階でも無資力の被疑者のために国選弁護人を付する被疑者国選弁護人制度が設けられているなど、各種の制度が整いつつある。
もっとも、当番弁護士制度は弁護士自身の負担で維持されている状況であり、国選弁護人に対する報酬が低廉であること、被疑者弁護扶助制度について十分に知られておらず、貧しいために被疑者段階で本来必要な弁護人の援助を受けられない者もいるなど、問題点も多い。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
また、代替的紛争解決制度における代理権(ADR代理権)は、司法書士の他、弁理士、土地家屋調査士、社会保険労務士の4士業について付与されることとなった。
なお、行政書士、不動産鑑定士、税理士などについては、ADR法の施行後に、手続実施者としての実績等を見極めた上で、将来の検討課題とすることとされた。
構成人数としては、弁護士が1人のものから300人以上のものに至るまで様々であるが、大人数の事務所は東京や大阪(特に東京)に集中している。
従来、弁護士は、その職業の性格上、宣伝広告をするべきではないという考え方が一般的であり、弁護士ないしは法律事務所の広告は行われていなかった。
この規制は近時の制度改革により2000年10月より撤廃され[3]、大都市を中心に債務整理、破産手続等を担当する法律事務所を中心に、広く一般に対する広告(主に都市周辺の私鉄やスポーツ新聞など)が目立つようになってきている。
司法制度改革以前から「弁護士がやらない業務を行政書士や司法書士がやる」として、司法書士や行政書士が紛争性のある法律事務を取り扱うケースが一般的にあった。
この点、弁護士法72条の解釈と行政書士法に基づく行政書士業務との関係で問題が指摘されているところである。
たとえば、事件性必要説にたった場合、たとえば離婚について事実上の争いになっていても、お互いに離婚をすることについて合意がなされていれば、その離婚は法律上の争いではないため、行政書士がこの問題に関わることは弁護士法に抵触しないことになる。
訴訟代理は、従来、弁護士の独占業務であり、弁護士資格を有しない者にはできないものとされており、弁護士へのアクセスの難しい地方や少額の事件については、当事者は、弁護士を立てずに行う本人訴訟を余儀なくされていた。
このような状況を改善するため、司法制度改革の一環として、弁護士以外の特定の法律専門資格の保持者(司法書士)にその関係分野や一定の金額までの紛争に限定して訴訟代理権を与えることや、隣接法律職に法廷以外での紛争解決制度(ADR)を設ける動きが広がっている。
なお、漫画『カバチタレ!』は事件性不要説に立つと非弁行為であるが、事件性必要説に立つと非弁行為とはならないと解される。
この点の詳細はカバチタレ!に記載されている。
刑事弁護を専門として行っている弁護士の収入は100万円前後ともいわれる。
弁護士の事務所には、経営弁護士が複数の場合、組織法的には、民法上の組合と弁護士法人の2種類がある。
アメリカなどの法律事務所によく見られる有限責任組合(LLP)の形態は日本法では許されていない。
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